奄美大島、古仁屋の市街地に店を構えて10年。
「こんにちわ!」と店内に入ると、オープン時間にはもうお客様がいらっしゃいました。
カウンター席に通してもらい、メニューをチェック!
店名の『旬』にかけて、メニューにはこのように書いてありました。
「この言葉は私が考えたんじゃなくって、素敵な観光のお客さまが、書いてくれたの」と語る女将。
観光客のお客様からも地元のお客様からも愛されているのがすぐに分かりました!
古仁屋出身の元気いっぱいの女将と話せる楽しいカウンターは6席。
仲間とワイワイできるテーブルと座敷もあります。店内には、浮き玉や三味線や太鼓など、島独特の小物が飾られ、素敵な雰囲気です。この10年でお店に来た有名人のサインもあったり。
座席に座ると、お箸入れに何か書いてます。『人生を計算するな、参加して今を楽しもう。』
お箸入れの一言は、各座席によって違います。お隣の席は『今の幸から何かひとつ欠けたら辛くなる。』と、人生の名言のような言葉。これはスタッフの方たちが毎日違う一言を手書きしているそうです。
時間をかけて、お客様を楽しませようとしてくれている気持ちが伝わりました!
まずは飲み物、生ビールを注文!
日替わりのオススメメニューは、日によって変わります。
キンキンに冷えた生ビールをクイっと。夏のビールは最高です!
お通しは、テラダ(トビ貝)と枝豆とポテトサラダ。
奄美大島も広く、名瀬地域の島口ではトビ貝のことを「トビンニャ」と言いますが、古仁屋地域では太陽(ティダ)の下を飛ぶ貝として「テラダ」と言います。同じ奄美でも方言が違って、とても面白い!
メニューはとても豊富で選びきれません!
私が最初にオーダーしたのは、女将オススメのこの4品。
エラブチは酢味噌で、シビ、ソデイカ、タイは島の甘いお醤油で頂きます。
全て奄美大島で採ったお魚、どれも新鮮でペロっと頂きました。
豚足が大好きな私。両手で持ってかぶりつきました!塩焼きで皮がパリッと中はトロトロでこれもまた美味です。
奄美大島の郷土料理。”油ぞうめん”と濁す言い方もあれば、”油そうめん”と言います。また、各家庭やお店によって具材や味がまったく違うのも、面白いところです。
女将に旬の油ソーメンの味付けを聞きましたが、そこは秘密とのこと。
出し汁がたっぷりでこってり系、美味しくて食べやすくてスルスルっとお口に入っていきます。
女性に大人気!
熱々の鉄板にはすりおろされた長芋がびっしり、ソースとマヨネーズ、青のり鰹節が食欲をそそる匂いをかもしだしています。
熱々のうちに一口。たまりません!!
ビールを飲み終えたので次のお酒へ。奄美黒糖焼酎の飲みくらべ30度の3種を注文しました。私はお酒の好みを伝え、女将のオススメでお願いしました。
可愛い青いグラスに一番に注いでくれたのは、沖永良部特産黒糖焼酎『新納酒造 天下一』、次に喜界島黒糖焼酎『喜界島酒造 三年寝太蔵』、最後は奄美黒糖焼酎『山田酒造 長雲』の3種類です。
『天下一』は沖永良部島の黒糖焼酎、常圧蒸留でコクのある味わいが特徴。
『三年寝太蔵』は喜界島の黒糖焼酎、三年熟成した黒糖焼酎に5年~10年の古酒をブレンドした熟成焼酎です。
『長雲』は、奄美大島龍郷町の長期熟成貯蔵されており、深いコクと香りが特徴的です。
おっと、ここで女将から「結構、飲めそうね!これなんていかがかしら♪」と、見たことにない一升瓶が出てきました。『天海の蔵』は、元々瀬戸内町にあった蔵元です。現在はもう製造がない『瀬戸の灘 30度』を出して頂きました!
女将:「昔は度数の高い焼酎は、船底に寝かせることで美味しくさせてたのよ、なんでかって?船に置いておくと程よい波の揺れで、まろやかでうま味が出るの。」
私は、「へぇ~!!凄い技術!」と一言。
女将:「瀬戸の灘はもう販売してないから、この一升瓶がうちにある最後の1本!昔の古仁屋の島人は、この瀬戸の灘でアル中になったくらい!(笑)」
そんな貴重な焼酎まで出していただき、感謝。味は、先ほど飲んだ3種とはまた違い、香りが高く飲みやすい口当たりですが、コクがある黒糖焼酎です。
すると女将から「30度の黒糖焼酎には、このお塩をどうぞ!」と。
加計呂麻島の塩を舐めながら、お酒がススムススム!
追加で、酒のつまみの鶏皮ポンズも注文!黒糖焼酎にとても合います。
そして!!!
女将が最後にニコニコしながら持ってきたのは『ハブ酒』!こちら一杯555円也!
私は思わず「おおおおおおお!」と声を出して、じっくり観察。そして、意を決して「ハブ酒ください!」と言うと、女将は素敵な笑顔を見せてくれました。
大きな口を空けたハブを見せてくれる姿はまるでエンターテイナー(笑)
旬の女将オススメのハブ酒は、奄美大島酒造の浜千鳥乃詩の35度づけだそう。
それを見ていたお隣の観光客の皆さんも、写真をとったり、近くまで見に来たり。
まずは匂いを確認。そして一口。
ん?全然臭くない!逆にまろやかで飲みやすく、ほんのり甘い。口に広がる香りが癖になりそうな味です!
今回頂いた5種類の焼酎は、同じ黒糖焼酎といえど、どれも引けをとらないくらい絶品。香りと口当たり、喉を通った後に口の中に漂う香りが、すべて違います。
黒糖焼酎は、昭和28年に奄美群島が日本に復帰するにあたって、酒税法の特例で奄美群島だけで黒糖を使った焼酎製造が認められています。ですので、奄美群島の特産品として今でも島人に愛され続けています。
『 食酒房 旬』では、5名様以上で宴会コースも予約受付しています。
2時間飲み放題とコース料理のたらふくコース。内容はとの都度変わるそうですが、刺身盛りやもずくといった島料理や唐揚げなど、大満足の宴会コースとなっています。もちろん単品注文でもOK!
島で採れた旬の食材をたっぷりと使う美味しい島料理と、奄美群島でしか作られない黒糖焼酎、現在でも潮干狩りに行くアクティブで元気いっぱい笑顔満点の女将と一緒に、瀬戸内町古仁屋の夜を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【店舗情報】
店舗名: 食酒房 旬(くいしんぼう しゅん)
営業時間:17:00~LO22:30
住所:鹿児島県大島郡瀬戸内町大湊5-5上原ビル1F
定休日:不定休
カード:可能
駐車場:有
電話番号:0997-72-0031
wi-fi:有
*2019年に取材しております。以降、内容変更となる場合があります。
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